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うつ病について② 〜新型うつとは〜

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こんにちは、就労支援員の岩崎です。

 

過去の記事(https://www.xn--fdk7cd2e.com/melancholy1)でうつ病について書きました。

 

今回はその②ということで、うつ病の中でも近年若者によく見られる「新型うつ」について書いていきたいと思います。

 

目次

 

① 新型うつとは

② 特徴的な症状

③ 従来型と新型の違い

④ 新型うつの人への接し方

⑤ 終わりに

 

① 新型うつとは

 

近年、「新型うつ」と呼ばれるタイプのうつが、注目されています。

 

仕事はやる気が起きないが趣味は楽しめる。といったように、これまでのうつ病とは違い、常にうつ状態ではないことが1つの特徴であるなど、新型うつでは、従来型のうつ病での特徴的な症状が見られないことが多いと言われています。

 

「頭痛や吐き気がひどく、仕事が手につきません。休職したいので診断書を書いてもらえませんか?」
このようなかたちで医師に自ら頼む人も少なくないそうです。

 

従来型のうつ病であれば、基本的に自らこのようなことは言いません。

 

うつ病では気分が落ち込み、何事もやる気が起きなくなりますが、うつ病といっても様々なタイプがあり、時代や環境とともに変化すると言われています。新型うつも、そんな変化とともに生まれたうつ病のひとつなのです。

 

 

② 特徴的な症状

 

ここからは、新型うつに見られる特徴的な症状について書いていきます。

 

□やりたいことしかできなくなる

 

新型うつの症状として、やりたいことしかできなくなるというものがあります。

 

自分のやりたいことはできるのに、やりたくないと感じたことは全くできないというものです。先に書いたような「仕事はやる気が起きないが趣味は楽しめる」といった状態がこれになります。

 

この症状のため、新型うつは「わがまま」だと誤解されることが多々あります。

 

例えば、次のようなことが新型うつの人からよく聞かれます。

 

・仕事に行こうとすると、体が鉛のように重くなって動けない。でも遊びに出かけることはできる。
・職場に欠勤の連絡を入れたら楽になり、遊びに出かけた。
・休職して時間ができたので、資格の勉強をする。
・苦手な仕事を割り振られたので出勤したくない。

 

側から見ると首を傾げたくなるかもしれませんが、本人は決してサボろうとしているわけではなく、「やろうと思っているのにできない」という気持ちは本当に感じているのです。

 

また、この症状に付随して、頭痛、めまい、動悸などの身体症状や気分の落ち込みも見られます。

 

 

□気分の起伏が激しい

 

新型うつの症状として、気分の起伏の激しさが見られます。平日は抑うつ気分が続くのに、休日になると元気になる…といった状態です。

 

従来型であれば、診断基準として「2週間以上抑うつ気分が続く」というものがありますが、新型うつの場合は気分の起伏の激しさゆえにこの基準が当てはまりません。

 

また、新型うつの人は突然抑うつ気分になることが特徴的で、仕事中や夜中などに突然気分が落ち込み、泣き出したりします。しかししばらくすると何事もなかったかのように機嫌が治り、気分が落ち着いたりします。このように、気分の上がり下がりが非常に激しく、また自分ではコントロールできません。

 

 

□身体症状を伴う

 

新型うつは身体症状を伴います。

 

1.鉛様疲労
先に少し触れましたが、体が鉛のように重く感じ、動くことができなくなるという症状です。これは新型うつを含めた、非定型うつ病に多く見られる症状です。

 

2.過眠
1日に10時間以上も眠り続けるといった過眠も新型うつ、非定型うつ病の特徴的な症状です。従来型では不眠が多く見られますが、こちらでは反対の症状が現れます。

 

3.過食
新型うつ、非定型うつ病の人は過食が見られることが多いです。お菓子や弁当をたくさん買って全部食べてしまったりします。また、人によっては食べたものを吐いてからまた食べるといった過食嘔吐も見られます。この症状は女性に多く見られると言われています。

 

4.その他
自律神経の乱れにより、頭痛、めまい、吐き気、動悸、また人によっては下痢や便秘、微熱なども見られます。
これらの症状で内科を受診したものの原因がわからない…といったケースも少なくありません。

 

 

□パニック発作

 

新型うつでは、パニック発作を併発することもあります。これは、突然強い恐怖感や不安感に襲われ、動悸、息切れ、発汗、不快感などの身体症状が現れる発作のことです。

 

これらの症状により、本人は「このままおかしくなってしまうのではないか?」と混乱に陥ることもありますが、この発作は数分〜十数分でおさまります。

 

この発作は新型うつだけでなく、非定型うつ病でよく見られる症状ですが、本人が抱いている強い不安が原因と言われています。新型うつの人であれば「会社に行けない」「仕事のことを考えると不安になる」といったものがあります。

 

また、パニック発作は予期せぬ場面で突然起こるため、「また発作が起きたらどうしよう」という不安が常につきまとうようになり、外出などもできなくなってしまいます。

 

 

③ 従来型と新型の違い

 

新型うつは、従来型のうつの症状とは違い、常にうつ状態ではないことが1つの特徴となっています。
うつ病とは抑うつ気分や意欲などの低下といった症状を特徴とする精神疾患ですが、そもそも、うつ病に関する発病メカニズムははっきりと解明されておらず、様々な仮説が提唱されている段階です。ストレスなどの心的要因についてもそのひとつです。

 

症状も人によって様々です。精神的な症状としては、何かをしていても意識は上の空になっていたり、集中力が低下したりといった症状があります。また、身体的な症状としては頭痛や睡眠障害、摂食障害などがあります。生活リズムが乱れたりすることもあります。

 

うつは比較的男性よりも女性に多いとされていますが、女性に多い理由には、女性ホルモンが関係していると言われています。

 

しかし、新型うつには、このような典型的なうつ病の症状が見られないことが多いのです。一般的に典型的なうつ病の症状がみられないタイプのものは、非定型うつと呼ばれています。新型うつのこの非定型うつの一種ですが、その中でも、より患者の「わがまま」のように見られてしまうのが新型うつと呼ばれています。

 

 □従来型と新型の比較

 

・病前性格

従来型→真面目、几帳面、完璧主義、責任感が強い

新型→自己中心的、他罰的

 

・好発年齢

従来型→35歳〜55歳

新型→20代〜30代

 

・うつになった時の心境

従来型→疲弊、罪悪感、仕事を休むことに対する罪悪感

新型→責任回避、周囲への避難、休職に抵抗がない

 

・うつ症状のムラ

従来型→ほとんどない。良いことがあっても気分が改善せず、趣味なども楽しいと感じない。

新型→良いことがあると気分が改善し、好きなことは楽しめる。職場ではうつ症状が強くなる。

 

・治療

従来型→薬が効きやすい、治療に消極的

新型→薬が効きにくい、治療に消極的

 

 

 ④ 新型うつの人への接し方

 

新型うつの人は、ストレスからの逃避でうつ状態になっている場合が多いため、時には励ましの言葉も必要です。

 

接し方のポイントとしては以下の通りです。

 

・苦しさには理解を示すが、甘やかさない。

・休養は取らせるが、逃避を助長させない。

・時には元気付ける。しかし叱責や非難はせず、自尊心を傷つけない。

・仕事や学業などが生活の中心であることを忘れないよう努力させる。

・良いところを見つけたら、褒めて自信をつけさせる。

 

こういったことに留意して接していくと、仕事や学業への不安や恐怖が解消されていきます。

 

 ⑤ 終わりに

 

いかがでしたでしょうか?

 

これを読んで、少しでも新型うつという病気を知っていただけたら幸いです。

 

次は、双極性障害(躁うつ病)についてまとめていきたいと思いますので、ぜひ読んでいただけたらと思います。

 

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